2018/05/05 19:20


メキシコの中でも1番訪れたかったのはオアハカ。

本で見かける度 死ぬまでには絶対行こうと心に決めていた。


メキシコといえば 死者の祭りが有名だが私たちの滞在中ゲラゲッツァという祭りに遭遇した。軽快な音楽とともに伝統舞踏を披露するという祭りだ。正直 自分はお祭りを見ると血が騒ぐというタイプではないが、オアハカの夕暮れとカラフルな民族衣装、男性陣が奏でる音楽に心をかなり奪われた。


さて オアハカと言えばサンアントニーノ村。

古着が好きな方はピンとくると思う。サンアントニーノ村はウィピルという刺繍のチュニックが有名な村だ。

私たちはどうせ見るなら村一番の腕をもつマリアさんのウィピルがみたいと思い向かった。


サンアントニーノ村にはオアハカ中心部からバスでオコトランへ向かい そこからはバイクタクシーでサンアントニーノ村へ。

着いた村は閑散としており 小さな市場があるぐらいだった。

さぁ、マリアさんのアトリエへ!と思った矢先 住所を書いたメモをホテルに忘れた事に気づいた。

呆然と立ち尽くす2人の目の前では ただ犬が歩いてるだけで何を競ってるのか分からないドッグショーが突如繰り広げられていた。かなりシュールな時間が流れ始めた時に奇跡は起きた。

日本語が話せるルイスというメキシコ人に話しかけられたのだ。メモを忘れた事、マリアさんのアトリエに行きたい事を伝えると すぐそこだよと教えてもらいルイスに感謝し足早に向かった。

(なぜかいつも助けてくれるのはおじさん)


歩いて数分のマリアさんのアトリエに着くとご本人が笑顔で出迎えてくれた。こっちよと奥に案内してくれ、鍵を取り出し大きなクローゼットを開けてくれた。

扉を開けた瞬間ため息がでた。

私たちが今まで見たウィピル史上最高だったのは言うまでもない。とても繊細で緻密で…1人の人間からこんな素晴らしいものが生まれるなんて!

11枚をじっくり見せていただき 2人でそれぞれこれぞというウィピルを選んだ。


メキシコ滞在中 道端などでハンドメイドの作品を売る方に沢山出会った。全てクオリティが高いとは言えないが 素朴で愛らしい作品ばかりだった。雑に陳列して売る人もいれば 道端の隅っこでこっそり売る人。一つ一つはその人の思いと時間が詰まってる。いつのまにか2人からはディスカウントという言葉は出なくなった。